個別カード評価:血の代償


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永続罠(禁止カード)
500ライフポイントを払う事で、モンスター1体を通常召喚する。 この効果は自分のメインフェイズ時及び 相手のバトルフェイズ時にのみ発動できる。

1999年・BOOSTER3で登場の永続罠。14/04/01禁止カード指定。
同期に「グレート・ホワイト」「レオ・ウィザード」「援軍」など。

1期に登場しただけあって歴史は古いが、4期序盤まではこのカードを使ってまで召喚したいモンスターが手札に溜まるという状況が少なく、採用率は芳しくなかった。

このカードが脚光を浴びたのは【カオス】が姿を消したあたりに現れた【除去ガジェット】の派生デッキとして登場した【代償ガジェット】において使われてからである。
ガジェットは召喚するだけで後続を手札に加えることができるため、このカードとガジェットだけで大量展開が可能になる。
このカードの名を冠してはいるものの、基本的にはコンセプトは【除去ガジェット】と同一であり、「地砕き」や「炸裂装甲」などでモンスターを除去しつつ隙をみてモンスターを展開するといった戦い方だった。

このカードの転機は2011年、エクシーズモンスターの登場である。
前述の【代償ガジェット】はモンスターの打点不足が問題であり、除去が追いつかなくなると途端にジリ貧になってしまうのが課題であったが、エクシーズ召喚をすることで容易に攻撃力2500以上のモンスターを出せるようになる。
爆発的に増える優秀なエクシーズモンスターの増加に比例してこのカードも評価を上げていき、12/03/01に準制限カード、12/09/01には制限カードに指定される。
ガジェットとこのカードで1ターンの間に「No.16 色の支配者ショックルーラー」を2体、やろうと思えば3体なるべることができたほか、「No.39 希望皇ホープ」などの打点の高いエクシーズモンスターと大量のガジェットで容易に1ターンキルができるようになる。
優秀なエクシーズモンスターの更なる増加に備えてという意味もあってなのか、14/04/01に遂に禁止カードに指定された。

なお、このカードの禁止カード指定後、「鳥銃士カステル」「星守の騎士プトレマイオス」「SNo.39希望皇ホープ・ザ・ライトニング」「フレシアの蟲惑魔」などの非常に性能の高いランク4モンスターが次々に登場している。

このカードが制限復帰したならば、やはり活用できるのは【ガジェット】だろう。
先述したように現在ではランク4の強さが際立っており、そのランク4モンスターを次々と展開できるこのカードの存在は大きい。
他には、【帝】でも採用できる。
このカードを起点にアドバンス召喚が容易になる他、相手ターンには連撃の帝王の相互互換として相手ターンに妨害ができるようになる。

同一チェーンで効果を何度でも発動できるため、「幽鬼うさぎ」や「サイクロン」では展開の妨害を受けないところも優秀であるといえる。

現在の環境では召喚時にアドを取るカードやエクシーズモンスターの増加により大量展開の補助として「引いたもん勝ち」の状況を作り出してしまう。
しかしこのカードに頼らずとも大量転回できるデッキも増えており、罠カード故の遅効性やこのカードをサーチする手段が乏しいことが問題となる。

もし現在の環境で使用される場合、このカードを主軸にするというより引かなくても展開できる、引いたらラッキーというくらいの感覚で採用されることと思われる。