個別カード評価:魔導サイエンティスト

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効果モンスター(禁止カード)
星1/闇属性/魔法使い族/攻 300/守 300
1000ライフポイントを払う事で、 融合デッキからレベル6以下の融合モンスター1体を特殊召喚する。 この融合モンスターは相手プレイヤーに直接攻撃する事はできず、 ターン終了時に融合デッキに戻る。

黒魔導の覇者で登場。2005/03/01禁止カード指定。

効果に1ターンに一度などといった制限がなく、ライフコストさえ払えばこのカード1枚で場をモンスターで埋めることができる。
直接攻撃はできないが、モンスターには攻撃できるため、当時最高攻撃力の「紅陽鳥」を出せば2299以下のモンスターを処理できた。

「紅陽鳥」を送りつけ、「黒炎の騎士ブラック・フレア・ナイト」を自爆特攻させ「幻影の騎士ミラージュナイト」で1ターンキルを狙うコンボは有名。
さらに多くのデュエリストが考察を重ねた結果、凶悪な先行1ターンキルデッキ【サイエンカタパ】が誕生。
「トゥーン・キャノン・ソルジャー」+「遺言状」や、「名推理」「モンスターゲートなどを駆使して「カタパルト・タートル」とこのカードを並べる。
サイエンで次々と融合モンスターを特殊召喚し、エラッタ前のカタパで次々とダメージに変換するというもので、高い成功率を誇った先行1ターンキルデッキだったが、2005/03/01でこのカードが禁止指定されたことで消滅する。

現在はエクシーズモンスターの登場がこのカードの凶悪さを増している。
呼び出したモンスター2体でエクシーズ召喚すれば、このカードの制約はないに等しい。

呼び出せるモンスターは非常にバリエーションに富んでおり、エクシーズ召喚にはもってこいである。
適当なレベル4モンスターで「フレシアの蟲惑魔」、「レア・フィッシュ」からの「バハムート・シャーク」→「餅カエル」や、「重装機甲パンツァードラゴン」からの「サイバー・ドラゴン・ノヴァ」→「サイバー・ドラゴン・インフィニティ」もしくは「セイクリッド・プレアデス」、適当なレベル6モンスターで「永遠の淑女ベアトリーチェ」、「ブラキオレイドス」からの「エヴォルカイザー・ソルデ」など、このカード1枚でかなり強力な布陣を整えることができる。
さらに、「No.53 偽骸神Heart-eartH」などの召喚条件が難しいモンスターも簡単に召喚できる。
もちろんいかなるところから後攻1キルが狙えることはいうまでもない。

現在の環境デッキでも活躍が見込まれる。
【DD】では「DDD烈火王テムジン」を2体出すことで片方の効果を発動できる。
【ABC】では、「キメラテック・ランページ・ドラゴン」を出すことで1枚で「ABC-ドラゴン・バスター」の召喚条件が整う。
【メタルフォーゼ】では「メタルフォーゼ・ミスリエル」を大量展開できる。

問題は、エクストラデッキを非常に圧迫すること。
普通にエクシーズするだけで融合モンスターとエクシーズモンスターでエクストラデッキの枠を3枠も使ってしまう。
とはいえ、往年のプトレノヴァインフィニティと同じ消費量でわずか1体のモンスターからエクシーズモンスターを展開できると考えれば、実に些細な問題である。
もう一つはこのカード自身が貧弱なモンスターのため、ライフを消費したところで「SNo.39 希望皇ホープ・ザ・ライトニング」などに殴られると瀕死ではすまない場合がある。
「エフェクト・ヴェーラー」「幽鬼うさぎ」で満足に展開できなかった場合も同じことが言える。
ここは罠カードなどでうまく回避しなければならない。

上述した【ABC】での悪用など、カードプールが増えるにつれパワーを増すカードの一つといえる。
有用な融合モンスターやエクシーズモンスターが増えるたび、このカードに悪用されてしまうようなものであるから、このカードは存在してはならないカードの一つなのだろう。